河辺町には明治、大正、昭和、平成に架けられた全部で8つの屋根付き橋があり、「浪漫八橋」と名付けられています。
それぞれの時代の人の暮らしと自然を結んでいるこれらの橋は、眺めも美しく深遠な浪漫を感じさせてくれます。
全国でも珍しい屋根のついた橋は、せめて橋の上だけでも雨露をしのげるようにという先人の知恵と優しさから造られたもの。
今もその思いを受け継ぎ、河辺町の歴史的遺産として保存されています。
杉皮葺きで太鼓橋の形をした御幸の橋は県指定文化財。
架設されたのも8つの橋の中で最も古く、安永2年に天神社の参道として河辺川に架けられました。
現在残っているのは、明治19年に大洪水で流されたものを同年の祭に間に合わせるため、氏子総出で復元したときのもの。
ケヤキを使い、なんと釘は一本も使われていません。
※長さ 8.3m 幅 2.7m
三嶋神社の参道にあたる場所に架かるこの橋は、神様への信仰心をあらわすために屋根を付けたと言い伝えられています。
大正12年に架設され老朽化によって、トタン葺きに変わっていましたが、平成7年に再び杉皮に葺き替えられて元の姿に戻りました。
※長さ14.8m 幅 2.8m
豊年橋は民家の横に架かっている小さな橋。
元は大正時代に河辺川に架けられていましたが、昭和26年に取り壊されることとなり、その橋材を村人が譲り受け自宅近くの小川に移設したのが現在の豊年橋となっています。
※長さ 3.3m